中小企業・個人事業主向け|LINE公式アカウントの作り方と活用ポイント

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毎日お店のことで忙しく、集客や顧客管理に時間をかけられないと感じていませんか?多くの小規模事業者が同じ悩みを抱えています。実は、日本で8,800万人以上が利用するLINEを活用すれば、効率的に顧客とつながり、売上アップにつなげることができるのです。特に個人店や中小企業にとって、LINE公式アカウントは敷居が低く、すぐに始められるツールです。今回は、初心者でもわかるLINE公式アカウントの作り方と、実際のビジネスでの活用方法を解説します。

LINE公式アカウントの作り方【初心者でも簡単】

LINE公式アカウントは、個人事業主や小規模店舗でも簡単に始められるビジネス向けのLINEサービスです。初期費用0円から始められ、操作も直感的で難しくありません

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントは、ビジネスがLINEを通じて顧客と直接つながるためのツールです。通常のLINEアカウントとは異なり、一斉配信機能やセグメント配信、自動応答機能など、ビジネスに役立つ機能が充実しています。

通常のLINEと比較した主な違いは以下の通りです:

  • 一対多数の情報発信が可能:登録してくれた顧客全員に一度に情報を送れます
  • 自動応答やリッチメニューが設定できる:24時間対応の自動化が可能です
  • 顧客データの分析ができる:どんな人がいつ反応したかを確認できます
  • 友だち追加のQRコードが発行できる:店頭やチラシに掲載して集客に活用できます

特に、個人店舗や中小企業にとっては、以下の理由でおすすめです。

  • 初期費用無料で始められる(月額費用も利用状況によって調整可能)
  • スマホだけで管理・運用できる手軽さ
  • 顧客とのやり取りをLINEという身近なツールで完結できる
  • 電話対応の負担軽減につながる

LINE公式アカウントの開設手順

LINE公式アカウントの開設に必要なものは、以下の3つだけです:

  1. メールアドレス
  2. 個人のLINEアカウント
  3. スマートフォンまたはパソコン

【アカウント開設手順】

STEP1: LINE公式アカウントの公式サイトにアクセスLINE for Business」の公式サイトにアクセス※し、「アカウントを作成」ボタンをクリックします。

※「LINEヤフー for business」→「アカウント開設」→「LINE公式アカウントをはじめる」からもアクセスできます。

STEP2: アカウント情報の入力 以下の情報を入力します:

  • メールアドレス
  • パスワード
  • 電話番号(SMS認証用)
  • お住まいの地域

STEP3: ビジネスプロフィールの設定 以下の情報を入力します:

  • 会社/ブランド名
  • カテゴリー(飲食店、小売、サービス業など)
  • ビジネスの詳細情報

STEP4: アカウント名とプロフィール画像の設定 これは顧客に表示される重要な情報です。アカウント名は以下のポイントを押さえましょう:

  • 店舗名やサービス名をそのまま使う(検索されやすくなる)
  • 長すぎない名前にする(表示が途切れないように)
  • 地域名を入れる(地元で検索されやすくなる)

プロフィール画像は以下を意識しましょう:

  • ロゴや店舗外観など、一目で分かるものを選ぶ
  • 小さく表示されても認識できる画像を使う
  • 画像サイズは640×640ピクセル推奨

STEP5: 認証済アカウントを取得する 通常のアカウント開設後、信頼性を高めるために「認証済アカウント」の取得を検討しましょう。

認証済アカウントの申請方法:

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログイン
  2. 「設定」→「アカウント設定」→「認証済アカウント」に進む
  3. 「認証済アカウントの申請」ボタンをクリック
  4. 必要書類(登記簿謄本や開業届、身分証明書など)をアップロード
  5. 審査(通常1〜2週間程度)を待つ

認証済アカウントのメリット:

  • アカウント名の横に公式マーク(緑色のチェックマーク)が表示される
  • ユーザーからの信頼性が向上する
  • 友だち検索で上位に表示されやすくなる
  • LINE広告などの追加機能が利用可能になる
  • ブロック率が低下しやすい(ユーザーが公式と認識するため)

注意点:

  • 申請から承認までに時間がかかる(1〜2週間程度)
  • 法人登記や開業届などの公的書類が必要
  • 審査基準が厳しく、却下される可能性もある
  • 運用ポリシーがより厳格に求められる
  • 認証されたアカウント名は簡単に変更できない

認証済みアカウントを取得していなくてもLINE公式アカウントの利用は可能ですが、長期的な運用を考えると認証済アカウントの取得はおすすめです。特に地域密着型のビジネスでは、公式マークによる信頼性向上が新規顧客獲得に大きく寄与します。

プランについて LINE公式アカウントには、以下の3つのプランがあります:

  1. フリープラン:月額無料、月間メッセージ配信数1,000通まで
  2. ライトプラン:月額5,000円(税別)、月間メッセージ配信数15,000通まで
  3. スタンダードプラン:月額15,000円(税別)、月間メッセージ配信数無制限

小規模店舗であれば、まずはフリープランから始めるのがおすすめです。友だち登録数が1,000人未満の場合、十分な機能が無料で使えます。

基本設定のポイント

アカウント開設後、まず設定すべき3つの基本機能を紹介します。これらを設定するだけでも、顧客対応の効率が格段に上がります。

1. 自動応答メッセージの設定 友だち追加時や特定のキーワードに対して自動で返信するメッセージを設定できます。

設定方法:

  • 管理画面の「応答設定」から「あいさつメッセージ」を選択
  • 友だち追加時に自動送信されるメッセージを編集
  • 「ありがとうございます!○○ケーキ店です。最新のケーキ情報やお得なクーポンをお届けします。」などのメッセージを設定

キーワード応答の例:

  • 「営業時間」と送信されたら、自動で営業時間を返信
  • 「メニュー」と送信されたら、自動でメニュー画像を返信
  • 「予約」と送信されたら、予約方法の案内を返信

2. リッチメニューの活用 リッチメニューとは、トーク画面の下部に表示されるメニューボタンです。顧客がよく求める情報や機能へのショートカットとして活用できます。

設定方法:

  • 管理画面の「リッチメニュー」から「作成」を選択
  • サイズとレイアウトを選択(1×1や2×3など)
  • 各ボタンの画像とリンク先を設定

おすすめのメニュー項目:

  • 「店舗情報」→店舗の場所や営業時間を表示
  • 「メニュー」→商品やサービスの一覧を表示
  • 「予約する」→予約フォームに誘導
  • 「クーポン」→現在のお得なクーポンを表示
  • 「お問い合わせ」→質問を受け付ける

3. タイムライン投稿の活用 タイムラインは、友だち登録者のタイムライン画面に表示される投稿です。新商品情報やイベント告知などに活用できます。

投稿のコツ:

  • 画像や動画を必ず添付する(テキストだけより注目されやすい)
  • 週1〜2回程度の頻度で投稿する(多すぎると読まれなくなる)
  • 「本日限定」「残り3席」など、緊急性を感じさせる言葉を使う

スマホでの管理・操作も簡単

LINE公式アカウントは、パソコンからだけでなく、スマートフォンからも管理できます。「LINE Official Account」アプリをダウンロードすれば、外出先でも顧客対応が可能です。

アプリでできること:

  • 顧客からのメッセージへの返信
  • 一斉配信メッセージの作成・送信
  • タイムライン投稿の作成・公開
  • 友だち数や反応率の確認

特に個人事業主の方にとって、スマホで完結できる点は大きなメリットです。キッチンカーの営業中や移動時間中でも、すぐに対応できます。

LINE公式アカウントをビジネスに活かす方法

LINE公式アカウントは様々な業種で活用できます。具体的な活用例を見ていきましょう。

個人店での活用例(カフェ・美容室など)

小規模な飲食店や美容室などのサービス業では、顧客との継続的な関係構築がカギとなります。LINE公式アカウントを使えば、効率的にリピーターを増やすことができます。

クーポン配信でリピーター獲得 具体的な活用例:

  • 「次回使える10%OFFクーポン」を来店後に配信
  • 「誕生月特典」として特別クーポンを配信
  • 「平日限定ランチクーポン」で閑散時間帯の集客

クーポンの作り方:

  1. 管理画面の「クーポン」から「作成」を選択
  2. クーポン名、期限、画像などを設定
  3. 配信方法(全員に配信、特定のグループに配信など)を選択

予約受付・問い合わせ対応 LINE上で予約を受け付けることで、電話対応の手間を大幅に削減できます。

具体的な活用例:

  • 予約希望日時をLINEで受け付け
  • 予約確認・リマインドメッセージの自動送信
  • 予約変更・キャンセルもLINE上で完結

設定方法:

  1. リッチメニューに「予約する」ボタンを設置
  2. Google Formsなどの予約フォームにリンク
  3. または「予約」というキーワードに対する自動応答に予約方法を記載

製造業・小規模工場での活用例

製造業や小規模工場でも、LINE公式アカウントは取引先とのコミュニケーションツールとして活用できます。

BtoB取引先とのスムーズな連絡 具体的な活用例:

  • 見積もり依頼の受付
  • 製品仕様や図面のやり取り
  • 緊急の問い合わせ対応

設定方法:

  1. 取引先向けの専用アカウントを作成
  2. リッチメニューに「見積もり依頼」「納期確認」などのボタンを設置
  3. よくある質問への自動応答を設定

発注状況の連絡・キャンペーン告知 具体的な活用例:

  • 製品の製造状況を定期的に報告
  • 新製品や特別価格のお知らせ
  • 展示会や工場見学会の案内

メッセージ例: 「〇〇様向け製品の製造が完了しました。納品は△月△日を予定しています。詳細はこちら(リンク)」

ECサイト・ネットショップでの活用例

ECサイトやネットショップ運営者にとって、LINE公式アカウントは強力な販促ツールになります。

新商品やセール情報の配信 具体的な活用例:

  • 新商品入荷のお知らせ
  • タイムセールの告知
  • 季節商品の先行予約案内

効果的な配信方法:

  1. 魅力的な商品画像を必ず添付
  2. 「本日限り」「先着30名様」など、緊急性を演出
  3. 「詳細はこちら」の購入ページリンクを明確に表示

LINE経由での購入率UPの工夫 具体的な活用例:

  • LINE限定クーポンの配布
  • 「カート落ち」したユーザーへのリマインド配信
  • LINEポイントとの連携キャンペーン

設定例:

  1. タグ機能を使って購入者と非購入者を分類
  2. 非購入者には特別クーポンを配信
  3. 購入者には関連商品のおすすめを配信

実際のECサイト運営者の声として、「LINE経由の購入者は、メルマガ経由の約1.5倍の購入単価になる」「開封率がメールの3倍以上ある」といった報告があります。

LINE公式アカウントを運用する際の注意点

効果的にLINE公式アカウントを運用するためには、いくつかの注意点があります。

メッセージ配信の頻度とマナー 適切な配信頻度:

  • 基本は週1〜2回程度
  • イベントや特別セールの前はやや頻度を上げても良い
  • 1日に複数回の配信は避ける

配信時間のマナー:

  • 基本的には10時〜20時の間が望ましい
  • 早朝・深夜の配信は避ける
  • 飲食店なら食事前の時間帯(11時前、17時前)が効果的

ブロック率を下げるコツ ブロック率が高いと、アカウント停止のリスクがあります。以下のポイントを意識しましょう:

  • 登録時に配信内容と頻度を明確に伝える
  • 有益な情報とセール情報をバランスよく配信する
  • ターゲットを絞った配信を行い、無関係な情報を送らない
  • 画像や動画を活用し、テキストだけの配信を避ける
  • 「○○さんだけに」など、パーソナライズした表現を使う

LINE公式アカウントの作り方【まとめ】

LINE公式アカウントを開設したら、まず取り組むべき3つのステップをご紹介します。

開設後、まずやるべき3つのこと

  1. 基本設定を完了させる
    • プロフィール情報の充実
    • 自動応答メッセージの設定
    • リッチメニューの設定
  2. 友だち募集を始める
    • 店頭にQRコードを掲示
    • 名刺やチラシにQRコードを印刷
    • 初回特典を用意して登録を促す
  3. 定期的な情報発信を始める
    • 週1回のペースでタイムライン投稿
    • 月2回程度のメッセージ配信
    • 顧客からの反応を分析してコンテンツを改善

他のSNSやWebサイトとの連携 LINE公式アカウントの効果を最大化するには、他のツールとの連携も重要です:

  • Webサイトに「友だち追加」ボタンを設置
  • Instagramなどの投稿でLINE登録を呼びかける
  • FacebookページとLINE公式アカウントを相互に宣伝
  • GoogleマイビジネスのプロフィールにLINEのQRコードを追加

まとめ:今日から始めるLINE公式アカウント活用

LINE公式アカウントは、特に中小企業や個人事業主にとって、コストパフォーマンスの高い顧客コミュニケーションツールです。初期費用0円から始められ、スマホだけで運用できる手軽さが最大の魅力です。

開設自体は30分程度で完了し、基本的な設定も含めても半日あれば十分に準備できます。まずは無料のフリープランから始めて、顧客数の増加に合わせてプランをアップグレードしていくことも可能です。

今回ご紹介した設定方法や活用例を参考に、ぜひあなたのビジネスにLINE公式アカウントを取り入れてみてください。電話対応の時間削減や、リピーター獲得など、具体的な成果を実感できるはずです。

最後に、LINE公式アカウントは「設定して終わり」ではなく、継続的な運用と改善が重要です。顧客の反応を見ながら、より効果的な使い方を模索していきましょう。